うつ病などの病気やケガで仕事を休むことになったとき、まず不安になるのが「収入が途絶えること」ではないでしょうか。会社の健康保険に入っている方なら、給与のおよそ3分の2が支給される「傷病手当金」を受け取れる可能性があります。安心して療養するために、まず知ってほしい制度です。
傷病手当金とは——支給の4つの条件
支給される条件
- ①業務外の病気やケガで療養中であること(うつ病などの精神疾患も対象)
- ②仕事に就くことができない状態であること(医師の意見で判断)
- ③連続する3日間の待期のあと、4日目以降も休んでいること
- ④休んだ期間について給与の支払いがないこと(一部支給の場合は差額)
支給額は、おおまかに言うと直近12か月の標準報酬月額の平均÷30日×3分の2。支給期間は支給開始日から通算1年6か月です(途中で復職した期間は数えず、2022年の改正で「通算」になりました)。申請は勤務先を通じて健康保険組合・協会けんぽに行い、申請書には医師の意見欄が必要です。(出典:全国健康保険協会)
退職しても、受け取り続けられる場合があります
「退職したら終わり」と思われがちですが、①退職日までに継続して1年以上健康保険に加入していて、②退職時に傷病手当金を受けているか受けられる状態であれば、退職後も引き続き受給できる場合があります。退職日に出勤扱いになると継続給付が受けられなくなるなど注意点があるため、退職前に必ず健康保険の窓口で確認してください。
「1年6か月のあと」を見据えて——回復期の選択肢
傷病手当金はいつか終わりが来る制度です。だからこそ、受給中の比較的元気な時期に「その後の働き方」を少しずつ準備しておくことが大切です。いきなりフルタイム復帰がこわい方には、週1日・1日1時間から通える就労継続支援B型で生活リズムと働く体力を取り戻す道があります。障害年金への切り替えや、自立支援医療での通院費軽減と組み合わせれば、経済面の不安を抑えながら回復に専念できます。
よくあるご質問
- Q. うつ病でももらえますか?
A. 対象になります。精神疾患での受給は年々増えており、医師が「労務不能」と認めることが条件です。 - Q. アルバイト・パートでももらえますか?
A. 勤務先の健康保険(協会けんぽ・健保組合)に加入していれば対象です。国民健康保険には原則この制度がありません。 - Q. 傷病手当金をもらいながらB型に通えますか?
A. 「労務不能」の判断に関わるため、必ず主治医と健康保険の窓口に確認してください。まずは見学だけなら問題ありません。 - Q. 障害年金と両方もらえますか?
A. 同じ病気で両方を受ける場合は調整(減額)があります。切り替えのタイミングは専門機関にご相談ください。
「休職中の今、何を準備すればいい?」というご相談も、見学時に無料でお受けしています。あせらず、少しずつで大丈夫です。(この記事は一般的な情報提供です。支給の可否・金額は健康保険者の判断によります)