朝晩が急に涼しくなって、「なんだか体がだるい」「朝起きるのがつらくなった」「理由はわからないけれど気持ちが落ち着かない」——季節の変わり目に、こうしたしんどさを感じる方は少なくありません。暑い夏をなんとか乗り切ったあとだからこそ、疲れが一気に出てくることもあります。この記事では、秋に体調をくずしやすい理由と、厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」をもとにした生活リズムの整え方、そしてしんどい時期の通所リズムの考え方をまとめます。なお、この記事は診断をするものではありません。不調が続くときは、主治医や医療機関にご相談ください。
季節の変わり目に「しんどい」のは、珍しいことではありません
秋は、体と心にとって変化の多い季節です。たとえば次のようなことが重なります。
- 朝晩と日中の気温差……服装や室温の調整が追いつかず、だるさや疲れを感じやすくなります。
- 日が短くなる……朝の明るさが遅くなり、夕方も早く暗くなります。朝の光を浴びる機会が減ると、起きる・眠るのリズムが崩れやすくなります。
- 夏の疲れが残っている……暑さによる睡眠不足や食欲の低下が、涼しくなってから表に出てくることがあります。
- 予定や環境の変化……連休や行事、衣替えなど、いつもと違う予定が続くことも、気づかないうちに負担になります。
厚生労働省の睡眠ガイドでも、睡眠の問題はこころの不調の再発リスクを高めることが知られていると説明されています。体調や気分の波がある方にとって、季節の変わり目は「いつもより少し丁寧に、自分をいたわる時期」と考えてみてください。気分の落ち込みが続く場合や、眠れない・起きられない状態が長引く場合は、自分で判断せず、早めに主治医や医療機関にご相談ください。
睡眠ガイドから考える、秋に整えたい4つのこと
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、成人の睡眠時間は6時間以上を目安に必要な睡眠時間を確保すること、そして「よく眠れて休めた」という睡眠休養感を高めることが大切だとされています。ガイドの内容を参考に、秋に取り組みやすいことを4つにまとめました。
- ① 起きる時間をそろえ、朝の光を浴びる……起きたらカーテンを開けて部屋を明るくします。休日も普段と同じ時間に起きることが、リズムを崩さないコツです。
- ② 朝ごはんを食べ、寝る直前の夜食を控える……ガイドでは、朝食をしっかりとり、就寝直前の夜食を控えることで体内時計が整うとされています。
- ③ 日中は少し体を動かし、長い昼寝を避ける……散歩や通所など、日中に体を動かす時間をつくります。長い昼寝は夜の眠りを妨げることがあります。
- ④ 服装で気温差に備え、体調を記録する……脱ぎ着しやすい上着を1枚持つだけでも、朝晩の気温差に対応しやすくなります。睡眠時間や気分を簡単に記録しておくと、自分の「しんどくなりやすいパターン」が見えてきます。
体調の記録のつけ方は救急の日に始めたい——お薬と体調の記録で「自分のトリセツ」を作るで、夏に崩れたリズムの立て直し方は夏の疲れで生活リズムが崩れたら——9月に向けた立て直し方でご紹介しています。一度に全部やろうとせず、できそうなものを1つ選ぶだけで十分です。
しんどい時期の通所は「減らして続ける」も立派な選択
季節の変わり目に体調が揺らぐと、「今週は休みがちだった」「このまま通えなくなるのでは」と不安になるかもしれません。でも、就労継続支援B型は雇用契約を結ばず、体調に合わせたペースで通える福祉サービスです。調子が落ちている時期は、次のような工夫を事業所と一緒に考えることができます。
- 通う日数や時間を一時的に減らす……「週3日を週2日に」「1日4時間を2時間に」など、ゼロにせず小さく続ける方法があります。
- 午後から、短い時間から通う……朝がつらい時期は、通う時間帯を相談することもできます。
- 休むときの連絡のしかたを決めておく……「しんどい日は電話1本でいい」と決めておくと、休んだことへの罪悪感が小さくなります。
- 主治医の意見を支援員と共有する……治療を受けている方は、主治医の考えも踏まえて、無理のない通所計画を一緒に考えます。
休むことは、後退ではありません。「行ける日に、行ける時間だけ」でも、決まった予定があることが生活リズムの支えになります。さくらでの過ごし方はB型事業所の1日はこんな流れ——さくらの「ある1日」をご紹介します、ペースの考え方は「作業所なのに作業しない人がいる」って本当?——ペースは人それぞれでいい理由もあわせてご覧ください。
よくあるご質問
- Q. 季節の変わり目になると毎年しんどくなります。気のせいでしょうか?
A. 気のせいと決めつける必要はありません。秋は朝晩の気温差や日照時間の変化など、体と心に負担がかかりやすい時期です。ただし、不調の原因は人によって異なり、自分では判断できません。しんどさが続く場合や生活に支障が出ている場合は、主治医や医療機関にご相談ください。 - Q. 秋に体調をくずして休みが続いています。通所をやめたほうがいいですか?
A. すぐにやめる必要はありません。B型は体調に合わせたペースで通える福祉サービスです。通う日数や時間を一時的に減らす、午後から通うなど、無理のない形を事業所と一緒に考えることができます。治療中の方は、主治医にも相談しながら決めていきましょう。 - Q. 生活リズムを整えるには、まず何から始めればいいですか?
A. 厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」も参考に、まずは「起きる時間をそろえて、朝の光を浴びる」ことから始めるのがおすすめです。休日も同じ時間に起きることで、リズムが崩れにくくなります。一度に全部を変えようとせず、1つずつで大丈夫です。 - Q. 体調が安定しない時期でも、見学はできますか?
A. はい、できます。見学は「通う約束」ではありませんので、調子のよい日を選んだり、短い時間だけにしたりしてかまいません。ご本人が難しいときは、ご家族だけでの見学・ご相談も受け付けています。
季節の変わり目のしんどさは、ひとりで抱え込まなくて大丈夫です。さくら福祉訓練所(藤井寺市林6-6-30/072-926-8545・平日と祝日10:00〜16:30、土曜10:00〜14:00)では衣類の検品・仕分け・販売、箱折りやシール貼りなどの軽作業、絵や詩を描くアート活動に、さくら作業所(堺市中区堀上町158-4/072-220-6027・平日10:00〜16:30)ではお弁当作りや調理補助、お米の選別、箸袋入れなどの軽作業やパソコン練習に取り組んでいます。週1日・1日1時間からの通所ができ、約9割の方が利用料の自己負担0円で通っておられます。昼食は300円、送迎のご相談も承ります。見学・体験は無料で、ご家族だけでもお越しいただけます。(この記事は、季節の変わり目の体調管理と生活リズムに関する一般的な情報提供であり、診断や治療の助言ではありません。ご自身の体調については主治医・医療機関に、障害福祉サービスの利用については市の障害福祉担当窓口や相談支援専門員にご相談ください。出典:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」、厚生労働省「睡眠対策」)