「気持ちが通じない」「何度言っても伝わらない」——発達障害(特にASD)の特性があるパートナーやご家族との関係の中で、支える側が孤立し、心身の不調に追い込まれてしまうことがあります。この状態はカサンドラ症候群と呼ばれています。これは支える人の心が弱いからではありません。
カサンドラ症候群とは
身近な人にASDなどの発達障害の特性があり、情緒的なやりとりが十分にできない状態が続くことで、支える側に抑うつ、不安、不眠、自己評価の低下、頭痛や体重の増減といった心身の不調が現れる状態を指します。正式な診断名ではありませんが、実際に苦しんでいる方は多くいます。特に、外から見えにくいことが特徴です。
いちばんつらいのは「理解されないこと」
- 相手は仕事や外では問題なく見えるため、悩みを話しても信じてもらえない
- 「あなたの心が狭いのでは」「わがまま」と逆に責められてしまう
- 相談できないまま孤立し、自分を責め続けてしまう
- その結果、支える側のほうが先に心身を壊してしまう
心を守るための4つのこと
①ひとりで抱えない——同じ立場の人が集まる家族会やカウンセリングにつながることが最も効果があります。「分かってもらえた」という体験が回復の出発点です。②相手を変えようとしない——特性は生まれつきのもので、努力不足ではありません。伝え方を「具体的・短く・肯定形で」に変えるほうが現実的です。③物理的・時間的な距離をとる——ひとりの時間を確保することは、逃げではなく必要な手当てです。④自分の不調は医療につなぐ——抑うつや不眠が続くときは、ご自身が心療内科・精神科を受診してください。
ご家族が使える相談先
発達障害者支援センターは、ご本人だけでなくご家族だけでも無料で相談できます。「本人は病院に行きたがらない」という段階でも、家族が先に相談して構いません。市区町村の障害福祉窓口、保健所・保健センターの精神保健相談も入り口になります。診断がついていない段階の相談についてはグレーゾーンの記事、ご本人の特性の理解には大人の発達障害の記事もご覧ください。
ご本人に「居場所」ができると、家族も楽になります
家庭の中だけで関係が完結していると、お互いに逃げ場がなくなります。ご本人が日中に通う場所を持つことは、ご本人の社会とのつながりになると同時に、ご家族が自分の時間を取り戻すことにもつながります。就労継続支援B型は週1日・1日1時間から利用でき、約9割の方が利用料0円です。さくら福祉訓練所(藤井寺)・さくら作業所(堺)では、ご家族だけのご相談・ご見学も受け付けています。
よくあるご質問
- Q. 本人に診断がなくても相談できますか?
A. できます。発達障害者支援センターは診断の有無に関わらず無料で相談できます。 - Q. 本人が「自分は障害じゃない」と言います。
A. よくあることです。無理に説得せず、まずご家族が支援につながることをおすすめします。 - Q. 家族だけで見学に行ってもいいですか?
A. 大歓迎です。ご本人が動き出す前の情報収集として活用してください。 - Q. 私自身の不調はどこに相談すれば?
A. 心療内科・精神科のほか、保健所の精神保健相談も利用できます。ご自身のケアを後回しにしないでください。
支える人にも、支えが必要です。ご家族だけのご相談・ご見学は無料です。LINE・電話・フォームからお気軽にどうぞ。(この記事は一般的な情報提供です。カサンドラ症候群は正式な診断名ではありません。心身の不調は医療機関にご相談ください)