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字を書くのがずっと苦手だった大人へ——書字障害(ディスグラフィア)と働き方【藤井寺・堺】

字を書くのがずっと苦手だった大人へ——書字障害(ディスグラフィア)と働き方【藤井寺・堺】

「書類を書くのに人の何倍も時間がかかる」「メモを取っても、あとで自分の字が読めない」「漢字が思い出せなくて、手書きの場面になると冷や汗が出る」——子どものころから「字が汚い」「丁寧に書きなさい」と言われ続け、大人になった今も、書くことだけがずっとつらい。そんな方がいらっしゃいます。読み書き全般の学習障害(LD)については読み書き・計算がずっと苦手だった大人へ——学習障害(LD)と自分に合う働き方でご紹介しましたが、この記事では「書く」ことの苦手に絞って、書字障害(ディスグラフィア)と呼ばれる状態のこと、書かずにすむ工夫、働き方の考え方を、公的機関の資料をもとにまとめます。

「書くのが苦手」には、いくつかの形があります

文部科学省は学習障害を、全般的な知的発達に遅れはないものの、聞く・話す・読む・書く・計算する・推論する能力のうち、特定のものの習得と使用に著しい困難を示すさまざまな状態と説明しています。このうち「書く」ことに困難がある状態は、書字障害(ディスグラフィア)と呼ばれることがあります。

同じ「書くのが苦手」でも、困りごとの形は人によって違います。

  • 字の形が整わない・マスや行からはみ出す……一生懸命書いても、読みにくい字になってしまう
  • 書くのにとても時間がかかる・すぐ疲れる……書く内容はわかっているのに、手が追いつかない
  • 漢字や文字を思い出せない・書き間違える……読めるのに書けない、送り仮名や「は/わ」で迷う
  • 文章をまとめるのが難しい……話せば伝えられるのに、文章にすると順番や句読点がうまくいかない

日本学生支援機構(JASSO)の資料でも、文字を書くことが不正確だったり遅かったりするとメモを取るのが難しくなること、内容がわかっていても書くのに時間がかかるために、力を正しく評価してもらえないことがあることが指摘されています。大切なのは、これが「努力不足」や「やる気の問題」ではないということです。ただし、書くことの苦手の背景にはさまざまな理由があり、自己判断で決めつけることはできません。当てはまるかどうかの判断は、医療機関にご相談ください。大人になってからの相談先としては、診断や手帳がなくても無料で相談できる発達障害者支援センター(藤井寺市など大阪府内はアクトおおさか、堺市はアプリコット堺)があります。窓口の詳しい違いは発達障害グレーゾーンで使える就労支援——診断名がなくても、あきらめないでにまとめています。

「書かずにすむ」「書く量を減らす」工夫

書くことが苦手な方にとって、いちばん効果的なのは「上手に書けるように練習する」より「書く場面そのものを減らす・別の方法に置き換える」ことです。JASSOの資料では、学生への配慮の例として、パソコンでの解答、音声入力ソフトやアプリの利用、録音の許可、板書の写真撮影などが挙げられています。これは大人の毎日や職場にも応用できます。

  • スマートフォンの音声入力……メモや下書きは、話して文字にする。予測変換があるので、漢字を思い出す負担も減ります
  • 写真と録音で「覚え書き」……ホワイトボードや掲示物は写真に、口頭の説明は(相手の了解を得て)録音しておく
  • 書く内容を「型」にしておく……よく書く住所・名前・定型の報告文は、スマホのメモに入れておいて書き写す。記入例を先にもらう
  • 手書きは「チェック式」にしてもらう……日報や記録表を、○をつけるだけの形式にしてもらえないか相談する

ただし、パソコンや音声入力が合うかどうかも人それぞれです。慣れるまでにかえって時間がかかることもあるため、自分に合う道具を、少しずつ試しながら見つけていくことが大切です。

職場で頼めることと、「働く練習」の場

障害者雇用促進法では、事業主に合理的配慮の提供が義務づけられています。厚生労働省の案内では、その対象は障害者手帳を持っている方に限定されず、発達障害を含む心身の機能の障害があるために、長期にわたって職業生活に相当の制限を受ける方などとされています。どのような配慮をするかは、本人が支障となっている事情を伝え、本人と事業主がよく話し合って決めるものです。書くことが苦手な方なら、たとえば「報告は口頭やパソコン入力で行う」「手書きの書類に記入例をつけてもらう」「採用試験の時間を延長してもらう」といった相談が考えられます。合理的配慮の考え方や伝え方は「合理的配慮」とは?——2024年から義務化、働く場面で頼めることで詳しくご紹介しています。

とはいえ、「何に困っていて、何があれば働けるのか」を自分の言葉で説明するのは、簡単なことではありません。就労継続支援B型は、いろいろな作業を試しながら、自分の得意・苦手と、あると助かる工夫を確かめられる場でもあります。さくら福祉訓練所・さくら作業所には、手書きをほとんど使わない軽作業から、パソコン練習、絵や詩を描くアート活動まで幅があります。作業の手順は、口頭や実演、写真つきの手順書など、ご本人に合う形でお伝えしています。見学のときの書類が不安な方は、見学の服装は?何を聞けばいい?——B型見学の持ち物・質問リストもあわせてご覧ください。記入が難しいところはスタッフがお手伝いします。

よくあるご質問

  • Q. 字が汚いだけでも、書字障害なのでしょうか?
    A. 字の形だけで判断することはできません。書くことの苦手の背景にはさまざまな理由があり、当てはまるかどうかは医療機関で総合的に判断されます。まずは発達障害者支援センターなどに、どんな場面で困っているかを相談してみてください。
  • Q. 大人になってからでも相談や診断は受けられますか?
    A. 受けられます。発達障害者支援センターでは、診断や手帳がなくても無料で相談でき、必要に応じて医療機関の情報を教えてもらうこともできます。藤井寺市など大阪府内の方はアクトおおさか、堺市の方はアプリコット堺が窓口です。
  • Q. 障害者手帳がなくても、職場で配慮をお願いできますか?
    A. 障害者雇用促進法の合理的配慮の対象は、障害者手帳を持っている方に限定されていません。どのような配慮ができるかは、本人と事業主の話し合いで決めます。伝え方に迷うときは、障害者就業・生活支援センターなどの支援機関に相談するのも一つの方法です。
  • Q. 書くのが苦手でも、B型作業所で作業できますか?
    A. できます。手書きをほとんど使わない作業も多く、手順は口頭や実演、写真つきの手順書などでお伝えします。利用の手続きや見学のときの書類で記入が難しいところは、スタッフがお手伝いします。

書くことが苦手でも、それはあなたの力のすべてではありません。書かずにすむ工夫と、得意を活かせる場所があれば、できることは大きく広がります。さくら福祉訓練所(藤井寺市林6-6-30/072-926-8545・平日と祝日10:00〜16:30、土曜10:00〜14:00)では衣類の検品・仕分け・販売、箱折りやシール貼りなどの軽作業、絵や詩を描くアート活動に、さくら作業所(堺市中区堀上町158-4/072-220-6027・平日10:00〜16:30)ではお弁当作りや調理補助、お米の選別、箸袋入れなどの軽作業やパソコン練習に取り組んでいます。週1日・1日1時間からの通所ができ、約9割の方が利用料の自己負担0円で通っておられます。昼食は300円、送迎のご相談も承ります。見学・体験は無料で、ご家族だけでもお越しいただけます。(この記事は、書くことの苦手に関する一般的な情報提供で、診断や治療に代わるものではありません。2026年10月時点の公的機関の資料をもとにしています。当てはまるかどうかの判断や具体的なご相談は、医療機関、発達障害者支援センターなどの専門機関にご相談ください。出典:文部科学省「学習障害(LD)、注意欠陥/多動性障害(ADHD)及び高機能自閉症について」、独立行政法人日本学生支援機構「発達障害 限局性学習症」、厚生労働省「雇用分野における障害者差別は禁止、合理的配慮の提供は義務です」)

見学・体験のご相談はこちら

さくら福祉訓練所(藤井寺市)

072-926-8545

平日・祝 10:00〜16:30 / 土曜 10:00〜14:00

さくら作業所(堺市中区)

072-220-6027

平日 10:00〜16:30

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