制度解説

障害者就業・生活支援センターとは?——仕事と生活をまるごと相談できる場所【藤井寺・堺】

障害者就業・生活支援センターとは?——仕事と生活をまるごと相談できる場所【藤井寺・堺】

「働きたい気持ちはあるけれど、生活のほうも整っていない」——就職の相談に行けば「まず生活リズムを整えましょう」と言われ、生活の相談に行けば「就職のことはハローワークで」と言われる。相談先がバラバラで、同じ話を何度も説明するうちに疲れてしまった、というお話をよくうかがいます。そのために作られたのが障害者就業・生活支援センターです。厚生労働省の説明では、「障害者の職業生活における自立を図るため、雇用、保健、福祉、教育等の関係機関との連携の下、障害者の身近な地域において就業面及び生活面における一体的な支援を行い、障害者の雇用の促進及び安定を図ることを目的」として設置されている機関です。この記事では、どんなことを相談できる場所なのか、そして藤井寺・羽曳野・松原と堺市それぞれの窓口はどこなのかを整理します。

「働くこと」と「暮らすこと」を、一つの窓口で相談できます

この機関のいちばんの特徴は、名前のとおり「就業」と「生活」の両方を、同じセンターで一体的に扱うところにあります。就職活動の話をしていた流れで、そのまま「実は朝起きられなくて」「お金の管理が不安で」という話ができる。逆に、生活の相談から始まって「そろそろ働くことも考えたい」に進んでも、担当が変わりません。センターには就業面を担当する職員と生活面を担当する職員が置かれ、必要に応じてハローワーク・医療機関・市役所・福祉サービス事業所などとの間をつないでくれます。

設置は全国規模です。厚生労働省によると、令和8年4月1日時点で全国に340箇所設置されています。都道府県が指定した社会福祉法人やNPO法人などが運営しており、担当する市町村(圏域)がセンターごとに決まっています。お住まいの市によって、相談に行くセンターが変わるという点は、最初に知っておいていただきたいところです。

対象になるのは、北海道の事業説明の表現を借りれば「就業及びそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障がい者」です。堺市の案内ではもう少し具体的に、①就職を希望していて職業生活における支援が必要な方、②就職中または休職中で、職場に定着するための継続的な支援が必要な方とされ、対象は身体障害者・知的障害者・精神障害者・発達障害者および難病患者と示されています。つまり「これから働きたい人」だけでなく、すでに働いている人・いま休職している人も相談先にできる場所だということです。

具体的に何をしてくれるところ?——就業面の支援と生活面の支援

支援の中身は、大きく2つの事業に分かれています。北海道が公表している事業内容にそって見ていきます。

◎ 就業支援(雇用安定等事業)
・就職に向けた準備支援(職業準備訓練、職場実習のあっせん)
・求職活動支援
・職場定着支援
・事業所に対する、障がいのある方の障害特性を踏まえた雇用管理に関する助言
・関係機関との連絡調整

◎ 生活支援(生活支援等事業)
・生活習慣の形成、健康管理、金銭管理等の日常生活の自己管理に関する助言
・住居、年金、余暇活動など地域生活、生活設計に関する助言
・関係機関との連絡調整

ここで注目していただきたいのが、「職場定着支援」と「事業所への助言」が入っていることです。障がいのある方の就職は、決まった瞬間がゴールではなく、そこからが本番になることがあります。「指示の出し方が早口で追いつけない」「休憩の取り方が分からない」といった、本人からは言い出しにくいことを、センターの職員が間に入って会社側に伝えてくれる——この役割は、ご本人だけではなかなか担えません。すでに一般就労を目指している段階の方には、B型から一般就労を目指す道すじの記事もあわせてお読みください。

もう一つ、「求職活動支援」とありますが、センターは求人を出す場所でも、雇ってくれる場所でもありません。あくまで相談・調整の拠点です。実際に求人を紹介するのはハローワーク、訓練の場を提供するのは就労移行支援事業所や就労継続支援事業所、という役割分担になります。それぞれの違いについては就労移行支援と就労継続支援の違いで整理していますので、あわせてご覧ください。

藤井寺・羽曳野・松原と堺市の窓口はここです

担当圏域が決まっている、と書きました。さくらに通ってくださっている方の多い地域について、公表されている窓口を挙げておきます。

◎ 藤井寺市・羽曳野市・松原市にお住まいの方
南河内北障害者就業・生活支援センター
〒583-0856 大阪府羽曳野市白鳥3-16-1 木村ビル4階
電話 072-957-7021 / FAX 072-957-1604
羽曳野市の案内では、松原市・羽曳野市・藤井寺市にお住まいの障がいのある方を対象に、「地域で働いて、自立した生活をしていくために『働くこと』と『生活すること』を総合的に支援します」と説明されています。

◎ 堺市にお住まいの方
堺市障害者就業・生活支援センター エマリス堺
大阪府堺市堺区旭ヶ丘中町4-3-1 堺市立健康福祉プラザ4階
電話 072-275-8162

堺市障害者就業・生活支援センター エマリス南
大阪府堺市南区桃山台1-1-1 南区役所2階
電話 072-292-1826
堺市の案内では、相談は原則として予約制とされています。いきなり訪ねるのではなく、まずお電話をしてから伺うほうが確実です。

大阪府内のその他の市町村にお住まいの方は、大阪府が公表している「大阪府内障害者就業・生活支援センター一覧」でお住まいの地域の担当センターを確認できます。圏域や連絡先は変更されることがありますので、訪ねる前に最新の情報をご確認ください。

最後に、さくらのような就労継続支援B型事業所との関係についてもひとこと。B型は「通って働く練習をする場所」、就業・生活支援センターは「働くことと暮らすことをまとめて相談し、関係機関をつないでもらう場所」です。役割が違うので、どちらか一方を選ぶという話ではありません。B型に通いながら将来の一般就労を相談する、という使い方もあります。ただし、どなたがどの支援を利用できるか、どの窓口が担当になるかは、お住まいの地域や状況によって個別に判断されます。この記事は一般的な情報の整理ですので、ご自身のケースについては、各センター・市町村の障害福祉担当窓口・相談支援事業所など専門機関にご相談ください。福祉サービスを使うための受給者証の手続きについては受給者証の申請から利用開始までの流れにまとめています。

よくあるご質問

  • Q. 障害者手帳がなくても相談できますか?
    A. 対象の示し方はセンターや自治体によって異なります。たとえば堺市の案内では、対象は身体障害者・知的障害者・精神障害者・発達障害者および難病患者とされています。手帳をお持ちでない場合に相談できるかどうかは個別の判断になりますので、あきらめてしまう前に、お住まいの地域の担当センターに電話で「手帳はないのですが」と率直にお尋ねください。窓口につながらない場合は、市町村の障害福祉担当課でも相談できます。
  • Q. ハローワークや就労移行支援事業所と、何が違うのですか?
    A. ハローワークは求人紹介と職業相談を行う国の機関、就労移行支援事業所は一般就労に向けた訓練を行う福祉サービスです。これに対して障害者就業・生活支援センターは、就業面と生活面の相談を一体的に受け止め、雇用・保健・福祉・教育・医療などの関係機関の間の連絡調整を行う「つなぎ役」の拠点です。求人紹介そのものはハローワークが行いますが、センターが同行したり間に入ったりして支援します。
  • Q. 就労継続支援B型に通いながらでも相談できますか?
    A. 対象は「就業及びそれに伴う日常生活上の支援を必要とする障がいのある方」とされており、堺市の案内では就職を希望している方に加えて、就職中・休職中で職場定着の支援が必要な方も対象に挙げられています。B型に通いながら次の段階を考えている段階での相談も、実際によく行われています。利用の可否はセンターごとの判断になりますので、まずはお電話でご相談ください。さくらに通ってくださっている方であれば、スタッフが一緒に連絡先をお調べします。
  • Q. 相談に行くとき、予約は必要ですか?何を持っていけばいいですか?
    A. 堺市の案内では相談は原則予約制とされています。ほかのセンターでも、担当職員が対応できる時間を確保するために事前連絡をお願いしている場合が多いので、まずお電話をおすすめします。持ち物は必須と決まっているわけではありませんが、お手元にあれば障害者手帳・受給者証・お薬手帳・これまでの職歴のメモなどがあると、話が早く進みます。うまく説明できるか不安なときは、ご家族や支援者の方と一緒に行っても大丈夫です。

「働きたい」と「まだ自信がない」は、同時にあっていい気持ちです。さくらでは、週1日・1日1時間からの通所ができます。障害年金と工賃は両方受け取ることができ、約9割の方が利用料の自己負担0円で通っておられます。見学・体験は無料、ご家族だけの見学も歓迎です。藤井寺・堺のどちらでもご相談ください。(出典:厚生労働省「障害者就業・生活支援センターについて」(令和8年4月1日時点で全国340箇所)、北海道「障害者就業・生活支援センター事業」、堺市「障害者就業・生活支援事業」、羽曳野市「障害者の就労に関する相談窓口」、大阪府「大阪府内障害者就業・生活支援センター一覧」。所在地・電話番号・担当圏域は変更されることがあります。この記事は一般的な情報提供であり、利用の可否や具体的な支援内容の判断は、各センター・市町村の障害福祉担当窓口・相談支援事業所など専門機関にご相談ください)

見学・体験のご相談はこちら

さくら福祉訓練所(藤井寺市)

072-926-8545

平日・祝 10:00〜16:30 / 土曜 10:00〜14:00

さくら作業所(堺市中区)

072-220-6027

平日 10:00〜16:30

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