しんどい時ほど、人は「相談する」という選択肢を思い出せなくなります。「こんなことで電話していいのだろうか」「うまく話せる自信がない」「家族に心配をかけたくない」——そう思っているうちに、日が暮れて、また朝が来て、誰にも言えないまま時間が過ぎていく。私たちが日々お会いしている方のなかにも、そういう時期をくぐり抜けてこられた方がたくさんいらっしゃいます。9月10日から9月16日は「自殺予防週間」です。厚生労働省は、この期間に自殺防止に向けた集中的な啓発活動を実施し、電話やSNSによる相談支援体制の拡充を行うとしています。今日の記事は、制度の解説ではありません。「今、しんどい」と思っているあなたが、今日この時間につながれる場所を、そのまま並べたものです。番号を控えるだけでも構いません。使わずに済むなら、それが一番いいのですから。
9月10日〜16日は「自殺予防週間」——まず「相談していい」ということ
厚生労働省は毎年9月10日から9月16日を「自殺予防週間」と定め、この時期に集中的な啓発を行っています。令和8年度も、電話やSNSによる相談支援体制の拡充、ポスターや動画による相談の呼びかけなどが実施されると発表されています。また、厚生労働省はウェブサイト「まもろうよこころ」で、電話やSNSの相談窓口の情報をまとめて紹介しています。
ここで、ひとつだけお伝えしたいことがあります。相談窓口は「限界まで我慢した人だけが使う場所」ではありません。「なんとなくしんどい」「理由はうまく言えないけれど、つらい」——その段階で電話をかけてよい場所です。うまく話せなくても構いませんし、「何を話したらいいか分からなくて」から始めても大丈夫です。沈黙のまま切ってしまっても、責められることはありません。
それから、ご家族・ご友人の立場の方へ。「身近な人から打ち明けられて、どう答えたらいいか分からない」という相談も、これらの窓口は受け付けています。支える側が一人で抱え込む必要もありません。
なお、意識がない・大きなけがをしているなど、命に関わる緊急の場合は迷わず119番です。救急車を呼ぶか迷うときは、大阪府内なら「救急安心センターおおさか」の#7119が365日24時間つながります。
全国どこからでも・24時間つながる相談先
まず、時間帯を選ばずかけられる番号から挙げます。いずれも厚生労働省のウェブサイト「まもろうよこころ」に掲載されている窓口です。
■ #いのちSOS 0120-061-338(フリーダイヤル・無料)
受付は毎日24時間。曜日も時間も問いません。夜中にどうしようもなくなった時のために、まずこの番号を控えておいてください。
■ よりそいホットライン 0120-279-338(フリーダイヤル・無料)
24時間対応。「こころ」のことに限らず、暮らし・お金・住まい・仕事など、生活の困りごと全般を受け止めてくれる窓口です。何から話せばいいか分からない時にも向いています。(IP電話からは 050-3655-0279)
■ いのちの電話 0120-783-556(フリーダイヤル・無料)
受付は毎日16時〜21時。加えて毎月10日は午前8時から翌日午前8時まで受け付けています。ナビダイヤル(0570-783-556、通話料有料)は午前10時〜午後10時です。
■ こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556
かけるとお住まいの都道府県・政令市の公的な相談窓口につながる番号です。ただし受付の曜日・時間は都道府県によって異なります。大阪府の案内では、大阪府在住の方(大阪市・堺市を除く)は月〜金曜日の午前9時30分〜午後5時、堺市在住の方は午前9時〜正午と午後0時45分〜午後5時、大阪市在住の方は午前10時〜午後5時とされています(いずれも祝日・年末年始を除く)。なお大阪府は、自殺予防週間を含む9月1日〜30日は24時間体制、8月20日〜9月30日はフリーダイヤル0120-064-556を案内しています。これは期間限定の措置ですので、ご利用の際は最新の案内をご確認ください。
■ 電話が苦手な方へ——SNS・チャットの相談
声を出すのがつらい日もあります。「まもろうよこころ」では、「あなたのいばしょチャット相談」(24時間365日・無料・匿名)、「生きづらびっと」、「こころのほっとチャット」など、文字でやりとりできる窓口も紹介されています。文字なら、書いては消して、また書き直しながら伝えられます。それも立派な相談です。
お子さん・10代の方向けには、24時間子供SOSダイヤル 0120-0-78310(24時間)、チャイルドライン 0120-99-7777(毎日午後4時〜午後9時)もあります。
藤井寺・堺で相談できるところ——「暮らしの続き」を一緒に考える窓口
全国の窓口が「今夜をこえる」ための場所だとすれば、地域の窓口は「明日からの暮らしを、一緒に組み立て直す」ための場所です。どちらも必要で、どちらか片方だけでは足りません。
■ 大阪府こころの健康総合センター「こころの電話相談」 06-6607-8814
受付は月・火・木・金曜日の午前9時30分〜午後5時(祝日・年末年始を除く)。毎週水曜日の同じ時間帯は、大阪府内にお住まいの40歳未満の若者専用の電話相談(わかぼちダイヤル)になります(大阪市・堺市にお住まいの方を除く)。
■ 堺市こころの健康センター「こころの電話相談」 072-243-5500
受付は月〜金曜日の午前9時〜正午、午後0時45分〜午後5時(祝日・年末年始を除く)。匿名で相談できます。「医療機関や福祉サービスを知りたい」という相談も受け付けています。ひきこもりについての専用電話(072-241-0880、月〜金曜日の午前10時〜正午)も設けられています。
■ 藤井寺市にお住まいの方
障がいのある方の相談は、藤井寺市 健康福祉部 福祉総務課(072-939-1111・代表)が窓口です。市が委託している相談支援の事業所として、障害者地域生活支援センター「わっと」(藤井寺市岡2-12-6/072-930-0733)、相談支援センター「ぴんぽん」(藤井寺市小山1-1-1 エストエムビル3階/072-952-7002)が案内されています。こころの健康については、大阪府藤井寺保健所(072-955-4181)でも精神保健福祉に関する相談を扱っています。
■ 仕事と生活を、まとめて相談したいとき
「働きたいけれど、生活のリズムもお金も不安」という時は、障害者就業・生活支援センターが仕事と生活の両面をひとつの窓口で受けてくれます。収入の見通しが不安な場合は障害年金の申請、何から始める?、通院費の負担については通院費が1割負担になる「自立支援医療」もあわせてご覧ください。「お金の心配が減ると、こころの余裕が少し戻る」——これは、私たちが現場で何度も見てきたことです。
そして、もし「人と会う練習から、少しずつ始めたい」と思われたら。さくら福祉訓練所・さくら作業所は、週1日・1日1時間から通える場所です。作業ができない日は、来て座っているだけの日があってもかまいません。相談窓口が「話を聴く場所」なら、私たちは「毎週、顔を合わせ続ける場所」です。役割は違いますが、どちらもあなたを支える線になります。
最後に。この記事は一般的な情報の整理であり、診断や治療について述べるものではありません。こころや体の不調、お薬のことについては、自己判断で対処せず、主治医・かかりつけの医療機関・相談支援専門員など専門機関にご相談ください。体調の記録の付け方についてはお薬と体調の記録で「自分のトリセツ」を作るでご紹介しています。
よくあるご質問
- Q. こんなことで電話してもいいのでしょうか。もっと大変な人が待っているのでは、と思ってしまいます。
A. かけていただいて大丈夫です。相談窓口は「限界の人だけの場所」ではありません。「なんとなくしんどい」「理由はうまく言えない」という段階の相談も受け付けています。厚生労働省は自殺予防週間(9月10日〜16日)に合わせて電話やSNSの相談支援体制を拡充しており、つながりやすくするための取り組みが行われています。うまく話せなくても、途中で切ってしまっても、責められることはありません。 - Q. 電話で声を出すのがつらいです。文字で相談することはできますか?
A. できます。厚生労働省のウェブサイト「まもろうよこころ」では、SNS・チャットで相談できる窓口が紹介されています。「あなたのいばしょチャット相談」は24時間365日、誰でも無料・匿名で利用できるとされています。ほかに「生きづらびっと」「こころのほっとチャット」などもあります。文字なら、書き直しながら自分のペースで伝えられます。 - Q. 家族が「消えたい」と言いました。どう答えればいいのか分からず、こちらが参ってしまいそうです。
A. ご家族・支援者の立場からのご相談も、各窓口が受け付けています。24時間つながる先としては #いのちSOS(0120-061-338・毎日24時間)、よりそいホットライン(0120-279-338・24時間)があります。地域では大阪府こころの健康総合センター(06-6607-8814/月・火・木・金の午前9時30分〜午後5時)、堺市こころの健康センター(072-243-5500/月〜金の午前9時〜正午・午後0時45分〜午後5時)などが相談先です。支える側が一人で抱える必要はありません。なお、意識がないなど命に関わる緊急の場合は迷わず119番にご連絡ください。 - Q. 相談したあと、生活はどうすればいいでしょうか。話を聴いてもらっても、明日はまた来てしまいます。
A. だからこそ、「聴いてくれる窓口」と「通い続けられる場所」の両方があると心強いのだと思います。仕事と生活をまとめて相談できる障害者就業・生活支援センターや、市町村の相談支援事業所(藤井寺市なら「わっと」072-930-0733、「ぴんぽん」072-952-7002など)が、暮らしの組み立て直しを一緒に考えてくれます。さくらでも、週1日・1日1時間からの通所ができます。見学は無料で、ご家族だけの見学も歓迎です。
「今日をこえる」ことと、「明日からを組み立てる」ことは、別々に頼っていいことです。さくら福祉訓練所・さくら作業所では、週1日・1日1時間からの通所ができます。障害年金と工賃は両方受け取ることができ、約9割の方が利用料の自己負担0円で通っておられます。見学・体験は無料、ご家族だけの見学も歓迎です。藤井寺・堺のどちらでもご相談ください。(出典:厚生労働省「9月10日から9月16日は『自殺予防週間』です」、厚生労働省「まもろうよこころ」電話・SNS相談窓口一覧(#いのちSOS 0120-061-338/よりそいホットライン 0120-279-338/いのちの電話 0120-783-556/こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556 ほか)、大阪府「電話相談(こころの電話相談・若者専用電話相談・こころの健康相談統一ダイヤル)」、堺市「こころの電話相談」、藤井寺市「相談支援事業について」、大阪府「藤井寺保健所」。この記事は一般的な情報提供であり、診断・治療に関する助言ではありません。こころや体の不調については、自己判断で対処せず、主治医・専門機関にご相談ください。命に関わる緊急の場合は119番へご連絡ください)